SAIL meets ART

人生に本当の心地よさと美しさをもたらすセルフケアブランドでありたい。
そう考えるSAILが、みなさまの生活をより素敵なものにできたらという想いで、新しいプロジェクトをスタートします。
その名も「SAIL meets ART」。

大好きな場所があること、美味しいと思えること、美しいと感動すること、心から安心できること。
世界にはわたしたちを心地よくしてくれるもの、輝かせてくれること、がたくさん存在しています。
SAILを知ってくださる方々が、それらに触れるきっかけを生みだすため、多くのアーティスティックな人物や事柄と繋がり、
様々な情報を発信し、表現やコミュニケーションを作り出していくプロジェクトです。

SAIL Photography by____________

プロジェクト第一弾となる、「SAIL Photography by」はクリエイティブディレクターにフォトグラファーKINYA氏を迎え
年2回、彼がピックアップしたフォトグラファーの方々がSAILの製品を独自の感性でとらえ、表現を制作します。
公式サイトのジャーナルで、作品とそれぞれのインタビュー記事を公開し、合わせて公式インスタグラムでも作品を順次公開します。
それぞれのフォトグラファーが普段、どのような感覚で作品をつくりだしていているのか、
また今回SAILの製品や、香りをどのように捉えて作品に落とし込んだのか。
さらには、最近気になっていることや大切にしていることなどもインタビューすることで、トップクリエイターの思考にも迫ります。

池谷陸 / Riku Ikeya

2000年生まれ。広告や雑誌をはじめ、アーティストとのコラボレーションワークなど幅広く活躍中。
2017年から精力的に写真展を開催し続けている。2023年9月には「POST」(恵比寿)にて蓮沼執太とともに展覧会を開催予定。

東京を象徴する場所と、
モノクロが持つ“情報量”

普段はカラーでも撮影するのですが、人物にしても物にしても、モノクロで撮るのも好きなんです。モノクロの面白さは、“完全に見えてしまわない”という、情報量の少なさにあるのではないかと思っています。見る人にも、考えたり想像したりする余地や余白があるのがいい。作品単体だけでなく展覧会をするときも、余白はすごく大事にしている要素です。

今回、「パークハイアット 東京」の一室でSAILのプロダクトを撮影しました。というのも、パークハイアットは、僕のすごく好きな映画『ロスト・イン・トランスレーション』(ソフィア・コッポラ監督)の舞台となったホテルで、僕のなかでここは東京の象徴のような存在なんです。ニットを着た女の子が少し気だるそうにベッドに寝転んでいて、その隣のサイドテーブルに、さりげなく商品のボトルが置かれている。そんなイメージで撮りました。東京の象徴と、自然な感じで日常的にSAILを使っている雰囲気を結びつけました。僕の自己満な部分も大いにあるとは思いますが(笑)。

高校時代、ファッションから始まった写真

写真家としてのキャリアについては、専門学校や大学で写真を学んだわけではありません。高校生の頃、自分で撮影していた写真をSNSなどで公開していたら、あるスタイリストさんに声をかけていただいて。そこからだんだんとファッションの撮影につながっていくことになりました。僕にとって写真はファッションから始まっているといえると思います。

それと、僕の周りにスケボーをやっている友人が多くて、もともと動画やフィルムカメラで撮ったりもしていました。その写真をシルクスクリーンで刷ってTシャツにして、お小遣い稼ぎをしたりしていましたね。

撮りたいもの、伝えたいもの

今はその頃とは仕事の量は全然違いますが、当時から地続きで、やっていること自体はあまり変わっていません。自分の作品として撮るときは、3つほどのテーマがあるかなと思います。一つは、“時間経過”。例えば、音楽家の蓮沼執太さんが個人で出している12曲ほどの楽曲のビジュアルに、時間帯の異なる窓を写した作品を使っていただいているのですが、そこでは、人はいないけれど、いたような/いそうだな、という空気感のある場所を選んで撮影することで、時間の経過を表しました。もう一つは、ずっと撮り続けている“ランドスケープ”。そして、“人の後ろ姿”です。顔が見えない後ろ姿にすごく惹かれるので、撮りためていきたいな、と。今は人物を撮るのが一番好きかなと思います。いずれにしても、そのものをわかりやすく撮るというよりも、何か“気配”を感じさせるような写真を撮っているなと思いますね。

クライアントワークをするときは、ある程度自分で決めた撮影の題材やロケ場所に、どこに人物がいて……と、イメージが伝わるムードボードやレファレンスなどを決まって2、3パターンくらい用意します。ただ、「全部違うなあ」となることもあるし、決して自分もその通りに撮ろうと思っているわけではなくて、自己紹介の意味合いもあると思っていて。コミュニケーションの手段の一つのようなものだと思うんです。例えば、レファレンスのなかに、自分の好きなランドスケープの写真や、好きなミュージシャンのジャケット写真を入れたりもします。そこから、「好きな音楽なんですか?」と、スタッフの方々と会話もイメージも広がっていくこともあると思います。だから、最初に自分から提案するものを持っていくことを大切にしています。

最近気になる7つのこと

1. 面白かった映画
『建築と時間と妹島和世』(ホンマタカシ監督)
2. よく聞いている音楽
細野晴臣, Ecovillage, Cornelius
3. 好きな本
雑誌『WIRED』の「未来への退却(リトリート)」という特集号
4. 注目しているアーティスト
Ecovillage
5. お気に入りの場所
友人のお店の当麻園芸と、京都にあるクマノワインハウス
6. 最近買ったもの
山野アンダーソン陽子さんのガラスコップ
7. 気になっている撮影機材
SIGMAのレンズ
インタビュー:中村志保

1982年生まれ。慶應義塾大学文学部美学美術史学専攻卒業。ロンドン大学ゴールドスミス校でファインアート専攻後、メディア学修士修了。 「美術手帖」「ARTnews JAPAN」編集部などを経て、フリーのエディター・ライター。

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